========================================================================= ミュージックエディタ ”MET” リファレンスノート(暫定版) 86/12/25 by ZOBplus C.MOS ========================================================================= <はじめに>  本ソフトは、PC−9801シリーズのFM音源ボード対応のミュージックエディタ です。名前はまだ未定ですが、一応、”MET”と呼んでおきます。  METは、次のような目的で開発されました。 「 アプリケーションソフトのサウンド環境を担う。」 従って、音楽の作曲・演奏はもちろん、これをBGMとしてアプリケーションのなかで 使用することを前提として、設計されています。  もうひとつの目的は、パソコンネットワークを利用した、自作ミュージックの交換に よる、 「 ミュージックネットワークコミニュケーション 」 です。自作のプログラムならぬミュージックをやりとりしようというわけです。  そんなわけで、まだまだ開発途上のソフトではありますが、これを機会にひとりでも 多くの方に、作曲の楽しさを味わっていただければ、幸いです。 <お断わり>  本ソフトは、開発中のバージョンですので、使用中に発生したバグについては、御容 赦願います。その場合には、本ソフトの譲渡ルートを通じて、バグの内容について御一 報いただけると幸いです。  本ソフトは、なるべく多くの方々に使っていただくために、譲渡ルートが明確な場合 には、コピーによる譲渡を行っても構いません。ただし、販売、あるいは、パソコンネ ットワークBBSへのアップロード等は、御遠慮下さい。 <動作環境>  ・PC−9801シリーズ全機種(UV以外は、FM音源ボードが必要)  ・MS−DOSバージョン2.0以上  ・バスマウスまたはシリアルマウス   (シリアルマウスの場合には、アスキー社製のマウスドライバが必要) <特 長> ・Macライクのハイセンスでスピーディなオペレーション ・ミュージックの作成中にもその場で使えるボイス(音色)エディタ ・FM+PSG+Noiseの7チャンネルサポート ・FM音源の効果音モードによるch3の3重和音モード ・音符を選択する必要のない新入力方式(ダイナミックスプリット方式) ・入力する音が譜面の音色でそのまま鳴るリアルタイムエコー機能 ・エディットしている位置からすぐに演奏できる、ワンタッチプレイ ・プレイ中の指定パートのミュート、ランダムアクセス機能 ・1、2小節リピート記号のサポート ・効果音に最適なポルタメント機能 ・LFO機能 ・ブロックのCut、Copy、Paste機能 <起動方法>  起動時のパラメータは、以下の通りです。 [[[ボイスデータファイル名] ミュージックデータファイル名] /p] (例) A>met A>met voice.vce A>met voice.vce music.msc A>met voice.vce music.msc /p ※ /pオプションを付けると、読み込んだミュージックデータを、順次演奏します。 ([ESC]キーで戻ります。) <操作手引書>  ここで、操作方法について詳述することは、時間と紙面の都合から控えさせていただ きます。大部分の操作方法は、実際に使っているうちに、御理解いただけるものと思い ます。ここでは、少々説明を要すると思われる事柄について触れておきます。 1.ポップアップメニュー ------------------------- ・スコア(楽譜)上にマウスカーソルがある場合に、Rダウン(マウスのRボタンをク  リックする)と、その時移行可能なモード、及び実行可能なオペレーションのアイコ  ンが表示されます。 2.音符の入力 ------------------------- ・基本モードは、黒と白の手のカーソルで表されます。この時それぞれ、音符、休符を  入力できます。 ・音符のアイコンを選択した場合、音符のインサートモードとなり、スコア上のクリッ  クした位置に、その音符が、”乱暴に”インサートされます。そのため、小節の音価  が半端になる場合がありまが、この場合、溢れた音価は、プレイ時も含めて切捨てら  れます。 ・一つの小節の音価が満たされるまで、次の小節には、音符は入力できません。 ・シャープ、フラットは、音符の入力中にRダウンにより、トグルで付けられます。 3.リピート記号 ------------------------- ・小節内リピート記号は、リピートされる区間の音価の合計と同じ音価の音符または休  符の上でクリックして入力できます。 4.カットアイコン ------------------------- ・ハサミのアイコンは、任意の音符・休符、及びリピート記号の削除を行えます。 ・前述の音符・休符アイコンおよびカットアイコンは、小節間の音価を一切評価してい  ないため、スコアの最後部での使用以外は、なるべく避けてください。通常の入力は  すべて基本モードで行えます。 5.ボイスナンバ ------------------------- ・ミュージックデータ中のボイスの指定は、ボイスデータの番号でなされています。  従って、ボイスデータに対してInsert、Deleteを行った場合、メモリ上  のミュージックデータ中のボイス番号は、リナンバされますが、それ以外のデータで  は、ボイス番号がずれる場合があります。 6.G/S ------------------------- ・G/Sは、Keyon、off割合をあらわします。1から8で、それぞれ1/8か  ら8/8をKeyonの期間とします。(初期値は7/8) ・タイ記号は、前後の音符が同音の場合には、タイとして、異なる場合には、レガート  (G/Sは8/8)として働きます。 7.効果音モード ------------------------- ・FMch3モードを選択すると、1チャンネルで3重和音まで出力できます。音の数  と、オペレータとの対応は、次の通りです。 [1音]・・・OP1〜4 [2音]・・・OP1、2/OP3、4 [3音]・・・OP1、2/OP3/OP4  (各オペレータへの対応は、音符を入力した順番によります。) 8.ファイル構成 ------------------------- ・ミュージック、ボイスデータとも、1つのファイルには複数のデータが存在していま  す。従って、編集したデータは、まず、InsertまたはReplaceで、ファ  イル内の指定位置に格納したうえで、ファイルを、Saveメニューにてディスクに  セーブして下さい。 <ボイスデータ>  付属のボイスデータは、ROM内のデータ(0〜20を除く)およびDXサウンドメ ーキングブック(KBspecial別冊・立東社)からの抜粋よりなります。  ROMデータについては、LFOパラメータが設定されていません。これは、LFO の仕様がオリジナルのためです。また、サンプルミュージックに使用されているボイス データについては、若干の修正が加えられている場合があります。  最大、128種のボイスを、登録することができます。 <今後の展開>  METの今後の展開として、以下のような事柄を予定しております。 1.スコアのプリントアウト ------------------------- ・ハードコピーを基にした、スコアのプリントアウト機能を付ける予定です。  (作者は、はずかしながら、まだプリンタをもっていないのでした。) 2.デバイスドライバ ------------------------- ・演奏部分のみをデバイスドライバとして取り出し、MS−DOSのもとでPLAYコ  マンドにより、バックグラウンドで演奏させることができるようにする予定です。 <おわりに>  はっきり言って、作者は、音楽に関しては全くの素人です。ピアノさえも弾けません 。従って、プロの作曲家からみれば、ただの遊び道具に写るかもしれません。しかし、 ピアノも弾けない、楽譜も読めない者でも、このソフトを使えば、曲を作り、演奏する ことができます。とにかく、楽譜に適当に音符を置き、PLAYを押すだけでよいので すから。「演奏させてみよう。どうもおかしい。ここをちょっと変えてみよう。今度は よくなった。」まさに、いまはなきBASICインタプリタ感覚で、作曲ができるので す。  せっかくのFM音源。3チャンネル、とはなはだ貧弱ではありますが、フルに使えば きっといままでにないサウンドの世界が広がることでしょう。  ああ、X68000がうらやましい・・・ 以 上