c.mosの日記

世の中を動かそうと思うなら、世の中の邪魔にならぬ処でやれ (野良犬)

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ドクター・スリープ

シャイニングの続編が映画化されると知って、久々にS・キングを読んだ。もちろん初期の作品はほとんど読んでいるが、近年の「セル」や「アンダー・ザ・ドーム」は中途で放置していた。何十年ぶりだろう…、読んでて止まらなくなったw こねくりまわしてこさえた文章ではなく、自動書記のように憑かれていっきに書き上げられた感覚がたまらない。キングがキューブリックの映画をお気に召さない理由はたぶん、"かがやき"が全く描かれてないからだろう。ITもそうだが、月並みに言えば"善なるもの"と悪との戦いにこそ、キングの真骨頂がある。ただこの作品での悪~真結族は、いわば意思疎通不可能な別種の知的生命~ヴァーレルセ(エンダーシリーズ)として描かれているのも面白い。

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トットちゃん

倉本聰の「やすらぎの郷」に続いて始まったドラマ「トットちゃん」が凄く面白いので、原作も読んでみた。最近始まった気味の悪い道徳の教科書など全て捨てて、これを教科書にすればいいじゃない?w 大好きな赤毛のアンや、Papa told meに通じるものがある。いい本と出会えてよかった。

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山本七平

一下級将校の見た帝国陸軍、山本七平の「空気」の研究を読んだのは6年前だが、先日NHKで放送されたインパール作戦関連の本を探していて、目に留まったので買ってみた。中学・高校とプラモやウォーゲームにはまっていて戦記物を色々読んではいたが、日本陸軍は読んだことが無かった。全くそそられなかったからだ。戦争末期、砲兵隊少尉としてルソン島で従軍した筆者の目で、帝国陸軍の様々な問題点を暴いている。まず驚いたのは、末期に至るまで米国とのジャングルでの戦闘を全く想定せず、訓練も準備もしていなかったことだ。組織の自転、形式的な数だけ合えば中身は問わない員数主義、大声でどなり暴力をふるう者が権力を持つ気魂の演技、階級よりも動物的攻撃性に基づくトマリ木の秩序死の臨在による生者への絶対支配…。今現在のブラック企業、運動部、いじめ、そしてIS等々、組織の闇を理解するための必読書だ。

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絶望の裁判所

http://www.amazon.co.jp/dp/4062882507
CSテレ朝ch2の「ニュースの深層」が終わってしまい、代わりに始まった「津田大介 日本にプラス」#38より。瀬木比呂志は東大学法学部在学中に司法試験に合格した超のつく秀才。生臭さの全くない学者タイプだが、内容は辛辣で怨嗟に満ちている。「大相撲の番付に似たヒエラルキー」、「人物評価の二重帳簿」等々。第5章の見出しに至っては「心のゆがんだ人々」であるw 裁判員制度ですら、日陰だった刑事系裁判官の権力強化が目的だったとは…。企業であれば、組織の腐敗は業績の悪化、行政なら財政の悪化という形で返ってくるが、裁判所にはそれが無い。自浄作用の働かない腐敗しきった官僚組織、それが裁判所の姿なのだろう。我々国民にできるのは、国民審査を熟考し、不適切な判事に×を付けることしかない。

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ハリーポッター

1~3巻を大昔に人から借りて読んだきり、ハリポタは原作読んでから映画観なきゃと思っていたので、映画も4作以降は観てなかった。昨年近所のブックオフで4~6巻を上下巻セット各105円で見つけた。さすがに7巻は無かったのでネットで中古本を555円(送料込み)で入手、実にコスパが良かったw

FTの長編は、指輪、ゲド戦記は定番として、ベルガリアード&マロリオン、ドラゴンランス、くらいしか読んでなかったが(「大地の子エイラ」もファンタジーかな?)、文句なく面白い。これに匹敵する面白いFTがあれば紹介して欲しい。映画は4が非常に不出来だったのを除けば、概ね良かった。特に7の「三人兄弟の物語」のアニメーションは絶品。唯一不満なのは、ヴォルデモート君の軽さ。「俺様」とか言うなw ヘビ顔も興醒めで、せめてシスみたくローブ被って欲しかった

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大往生したけりゃ医療とかかわるな

新聞広告で目に留まった。見出しがイカしてる。「死ぬのは『がん』に限る」「がんは完全放置すれば痛まない」どんなトンデモ本だろうと興味本位で買ってみた。ところがどっこい、これが素晴らしい!作者はひょうひょうとして辛らつ。失うものは何も無い感満載で実に小気味良い。大多数の無知蒙昧な老人がこの本を読んで意識を変えたら、老人医療費は半分で済んで、増え続ける社会保障費問題も解決するんじゃないのか?w 要約すれば「繁殖期を終えたら生物は死ぬべき」、「枯れるように死ぬ(餓死)のが理想」。先日起きた埼玉の3人餓死事件は、非常に痛ましい事件のように報道されているが、実はとても安らかな死だったのかも知れない。

ちなみに著者の中村仁一医師は、一時期クイズ番組で優勝しまくった変わった経歴の医者らしい。一度ぜひ講演を聞いてみたいものだ。

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つぎはぎ仏教入門

例によって宮崎哲弥のトーキングヘッズの教材。(→YouTube)
呉智英という方はBSマンガ夜話で見かけた記憶があったが、さすがに宮崎哲弥が唯一人と仰ぐ人物。幅広い視野と斬新な視点と平易な文章、いっきにファンになった。高校でざっと習って以来、大乗仏教→民を救う(慈悲○)、小乗仏教→自分さえ救われればいい(悟り×)、と単純に理解していた。ぜひ高校の教科書に推薦したい。釈迦の実像は確かに、エゴイストの学者の方がしっくりくる。真の天才は愚かな衆生を虫けら程度にしか思ってない。そう見えないとしたら、それは巧みな処世術だ。

ちなみに私は、何の悩みも執着も無く、毎日ぐたぐた過ごしている。たった今消えても、全然オッケー。それって、仏教的にはダメなんですか?w

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環境リスク学

mixiしかの先生の日記で紹介されていた。素晴らしい本だ。読み始めてすぐに、中西準子という学者の人柄が判る。「○○は、当時院生の○○さんの行ったものです」、几帳面すぎるくらいに、誰の仕事・アイデアなのかを記している。ダイオキシン、BSEなど過剰に反応されがちなリスクを、地道な調査・分析をもとに評価している。まさに放射能パニックに陥ってる今こそ、読むべき羅針盤だ。

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佐藤史生

エルシャダイというゲームが発売される。「エルシャダイといえば夢みる惑星でしょ!」とぐぐってみたら、佐藤史生、昨年の春に癌で亡くなっていたんですね…(涙) 一番好きなマンガ家の一人でした。「夢みる惑星」はSF/FTの最高傑作だと思う。ご冥福をお祈りします。

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J.P.ホーガン死去

69歳とのこと。ご冥福をお祈りします。
それまで読んだ本といえば、中学生のときにはまった星新一と筒井康隆くらいだった私が、SFや歴史ものに夢中になるきっかけが、「星を継ぐもの」でした。誰のお薦めだったのか記憶にないけど、おそらくZOBのお仲間かと。「未来の二つの顔」までの初期作品は本当に面白かった~。熱い魂を持つ理系の子らの必読書だ!彼らこそが人類を未来に導く。(たまに破滅に導くが…(笑))
ちなみに写真が「創世記機械」なのは、これももちろん面白いんですが、「星を継ぐもの」が誰かに貸したままなのか、見当たらない。(^^; しかし最近まったくSFを読んでないなぁ…。

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