c.mosの日記

世の中を動かそうと思うなら、世の中の邪魔にならぬ処でやれ (野良犬)

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山本七平

一下級将校の見た帝国陸軍、山本七平の「空気」の研究を読んだのは6年前だが、先日NHKで放送されたインパール作戦関連の本を探していて、目に留まったので買ってみた。中学・高校とプラモやウォーゲームにはまっていて戦記物を色々読んではいたが、日本陸軍は読んだことが無かった。全くそそられなかったからだ。戦争末期、砲兵隊少尉としてルソン島で従軍した筆者の目で、帝国陸軍の様々な問題点を暴いている。まず驚いたのは、末期に至るまで米国とのジャングルでの戦闘を全く想定せず、訓練も準備もしていなかったことだ。組織の自転、形式的な数だけ合えば中身は問わない員数主義、大声でどなり暴力をふるう者が権力を持つ気魂の演技、階級よりも動物的攻撃性に基づくトマリ木の秩序死の臨在による生者への絶対支配…。今現在のブラック企業、運動部、いじめ、そしてIS等々、組織の闇を理解するための必読書だ。

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